長くてジメジメとした梅雨が明けると、いよいよ本格的な夏が到来します。炎天下での作業は職人にとって大変なイメージがありますが、実は梅雨明けの夏場は外壁塗装の条件が非常によく、大きなメリットが絶好のタイミングです。
今回は、経験豊富な建築施工管理技士の視点から、梅雨明けに外壁塗装をおすすめする理由や、夏場ならではの気をつけるべきポイント、快適に工事期間を乗り切るための注意点などを解説します。
なぜ梅雨明けの夏場が外壁塗装に最適なのか?

外壁塗装の品質を高く保つためには、塗料を塗ったあとに、しっかりと乾燥させてから次の層を重ねる工程が欠かせません。梅雨明けの時期が塗装に向いている理由は、この乾燥環境のよさにあります。
塗料がスピーディーに乾き、工期が遅れにくい
外壁塗装は、下塗り・中塗り・上塗りと、塗料を何度も塗り重ねることで、強固な防水膜を作ります。前の塗料が完全に乾かないうちに上から重ねてしまうと、数年後に塗装がポロポロと剥がれたり、膨らみが生じたりする重大なトラブルに繋がります。
梅雨明け後の夏場は気温が高く、空気もカラッとしているので、塗料の乾燥スピードが1年のなかで最も早いです。乾燥待ちの時間が短縮されることで職人の作業効率が上がり、スケジュール通りにスムーズに工事が完了しやすくなります。
日照時間が長く、1日の作業を効率よく進められる
冬場に比べて圧倒的に日が長いことも、夏場に工事を行う大きな利点です。外壁塗装は手元が暗くなると塗りムラや塗り残しが発生しやすくなるため、基本的には明るい時間帯しか作業ができません。
夏場は夕方遅くまで明るさが保たれ、1日の作業時間をじゅうぶんに確保できます。これにより、天候による多少の遅れが生じてもリカバリーしやすく、全体の工期が延びるのを防げます。
本格的な「台風シーズン」が来る前に家を守るというメリット

梅雨が明けた直後に塗装を行うことには、これからやってくる過酷な季節から我が家を守るという、災害対策の面でも非常に重要な意味があります。
梅雨の長雨で弱った外壁をリセットする
梅雨の時期、何日も降り続いた雨は徐々に外壁に染み込んでいきます。もし外壁に小さなひび割れ(クラック)があると、水分が外壁材の奥深くまで侵入し、建物の基礎を傷める原因になります。
梅雨明けの強い日差しで、しっかりと外壁を乾燥させた直後に新しく塗装を施せば、溜まったダメージをリセットできます。そして、外壁の防水機能を最大レベルまで復活させることが可能です。
秋の大型台風による雨漏りを未然に防ぐ
夏から秋にかけては、毎年のように大型の台風が接近・上陸します。台風の暴風雨は、普段の雨とは比較にならないほどの横殴りの風を伴うため、外壁のわずかな隙間から室内に水が入り込み、雨漏りを引き起こします。
梅雨明けは、台風シーズンが本格化する手前のタイミングです。この時期に外壁塗装を新しくしておくことは、大切な住宅を浸水被害から守るための防衛策になります。
夏の外壁塗装で後悔しないための注意点
メリットの多い梅雨明けの塗装工事ですが、快適に、トラブルなく終えるためには知っておくべき注意点があります。
窓が閉め切りになる期間のエアコン対策
外壁塗装期間中は、塗料が窓ガラスや網戸につかないように「養生」と呼ばれるビニールシートで窓を覆います。そのため、工事中の数日間は窓を開けての換気ができません。
「夏場に窓が閉め切りなんて」と不安になるかもしれませんが、エアコンは通常通り使用可能です。ただし、室外機の周りを完全に塞いでしまうと、エアコンが故障する原因になります。事前に「エアコンを使いたいので、室外機が動かせるように養生してください」と、業者に伝えておくことが大切です。
ハイシーズンだからこそ、早めの業者選定を
「梅雨が明けたら塗装をしよう」と考えている方は非常に多いので、梅雨明けから秋にかけては塗装業界のハイシーズンとなります。そのため、評判のよい優良な施工業者ほど、数ヶ月先まで予約が埋まりがちです。
梅雨が明けてから業者を探し始めると、希望の時期に工事が間に合わない可能性が高くなります。春先や梅雨の最中の段階から相見積もりを取り、計画的に準備を進めておきましょう。
梅雨明けの外壁塗装に関するよくある質問

最後に、梅雨明けの塗装工事に関するよくある質問をまとめました。
Q:夏休みの旅行中に外壁塗装の工事を進めてもらえますか?
A:旅行中も施工可能です。
外壁塗装は屋外での作業が中心なので、不在中も工事を進められます。戸締まりをしっかり行えば、留守中の作業でも品質が変わることはありません。最近は、その日の作業進捗を写真つきのメールやLINEで報告してくれる業者も多いので、遠出をしていても安心して任せられます。
Q:職人さんへのお茶出しや休憩の手配はしたほうがいいですか?
A:基本的には不要です。
特に夏場は、職人が各自で体調に合わせて水分や塩分補給のタイミングを管理しています。お茶出しがないという理由で工事の手を抜くようなことはありませんので、日中留守にする場合も問題ないでしょう。
Q:ゲリラ豪雨が降ってきたら、塗ったばかりのペンキが流れてしまいませんか?
A:対策を行いながら作業をするので安心です。
プロの業者は、当日の天候や雨雲レーダーを細かくチェックしながら作業します。突然の雨が予想される場合は、事前に作業を中断してシートで保護するなどの対策を取ります。万が一、乾く前に雨が降り仕上がりに影響が出たら、天候が回復したあとに塗り直しを行うため、最終的な耐久性に問題は生じません。
まとめ
梅雨明けのタイミングは、塗料が非常に乾きやすく、工事の品質が最も安定する外壁塗装のベストシーズンの始まりです。絶好の機会を活かしてメンテナンスを行えば、夏の強い紫外線や、秋の大型台風から家を守れます。
信頼できる業者に、夏場の工事特有の注意点も含めて相談しておけば、日常生活へのストレスを最小限に抑えられます。まずはプロの業者に現地調査を依頼し、住宅の状態をチェックしてもらうことから始めましょう。
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