遮熱塗料と断熱塗料の違いを徹底解説!どちらを選ぶべき?【建築施工管理技士監修】

「遮熱塗料にしようか、断熱塗料にしようか…」塗り替えを検討し始めると、似た名前の塗料が並んでいて、思わず手が止まってしまいませんか?


実はこの2つ、名前は似ていますが熱への働きかけ方がまるで違います。間違えると「夏は涼しくなったけど、冬は余計に寒くなった気がする」なんてことにもなりかねません。


そこで今回は、遮熱塗料と断熱塗料の仕組みの違いから、最適な選び方まで詳しく解説します。


遮熱塗料とは?その仕組みと特徴


まずは遮熱塗料にどんな特徴があるのか、知っておきましょう。


遮熱塗料は、太陽光に含まれる「近赤外線」をはね返すことで、屋根や外壁の表面温度を抑える塗料です。


夏の日差しを受けた金属屋根は、表面温度が70〜80℃に達することもありますが、遮熱塗料を塗ることで通常の塗料より7〜15度ほど下げられるとされています。


その分、室内への熱の伝わりが緩やかになり、エアコンの効きも改善されやすくなります。


ただし「反射させる」塗料であるため、室内の熱を閉じ込める保温効果はありません。夏の暑さには強くても、冬の寒さ対策は別途考える必要があります。


「夏の2階が蒸し風呂みたいで…」という方にとっては、まさに的を射た対策ではないでしょうか。


断熱塗料とは?その仕組みと特徴


続いて、断熱塗料の仕組みを確認しましょう。


遮熱塗料との最大の違いは、「熱を反射する」のではなく「熱の移動そのものを遅らせる」点です。


塗膜の中に中空ビーズや特殊フィラーと呼ばれる素材が含まれており、外気の熱が室内へ侵入するのを防ぐ「壁」として機能します。さらに、室内の暖かさを外に逃がしにくくする保温効果もあるため、夏も冬も1年を通じて「快適な室温を保つ」方向に働きます。


価格は遮熱塗料よりやや高め、塗膜が厚い分施工に多少の手間がかかることもあります。


ただし、「冬も寒くて暖房代がかさむ」「光熱費を通年で下げたい」という方には、断熱塗料のほうが費用対効果を実感しやすいでしょう。


遮熱塗料と断熱塗料の違いを比較表で整理

2つの違いを一覧で見比べてみましょう。



「夏だけ何とかしたい」なら遮熱塗料、「冬も含めてトータルで改善したい」なら断熱塗料と覚えておくと選びやすいでしょう。


【遮熱塗料と断熱塗料】どちらを選ぶべき?目的別の選び方


「うちはどっちだろう…」そう感じている方のために、具体的なシーンで整理します。


遮熱塗料が向いているケース


  • 夏になると2階・最上階が特に暑く、冷房がなかなか効かない
  • ガルバリウム鋼板やトタンなど、熱を持ちやすい金属屋根を使っている
  • 冬の寒さより夏の暑さのほうが切実な悩み
  • コストを抑えながら、まず暑さ対策を打ちたい


断熱塗料が向いているケース


  • 夏の暑さも冬の寒さも、両方に悩んでいる
  • 築年数が10〜20年以上経ち、断熱性能の低下を感じている
  • 年間の光熱費をトータルで削減したい


とくに寒暖差が激しい地域や、断熱性能が落ちてきた古い住宅では断熱塗料の恩恵を実感しやすい傾向があります。


なお、国土交通省も住宅の省エネ対策として外皮性能(断熱・遮熱性能)の向上を推進しており、塗装による断熱・遮熱改修もその観点から注目されています。


参考:国土交通省「住宅の省エネルギー基準


FAQ|遮熱塗料と断熱塗料の違いについてよくある質問

遮熱塗料と断熱塗料について、よく寄せられる疑問をまとめました。


Q.遮熱塗料と断熱塗料を組み合わせて使うことはできますか?


A.できます。


たとえば屋根に遮熱塗料、外壁に断熱塗料という組み合わせも有効です。それぞれの得意分野を活かせるため省エネ効果は高まりますが、費用も増えます。


「まずどこが一番の悩みか」を軸に優先順位をつけると、予算内で満足のいく結果を得やすくなります。


Q.断熱塗料を塗れば、冬の暖房代は明らかに下がりますか?


A.塗料だけで劇的に変わるわけではありません。


ただし、断熱性能が落ちた古い住宅では「暖房の効きが早くなった」という体感を得られるケースは多いです。補助的な対策として位置づけておくと、期待と現実のズレが生じにくいでしょう。


Q.遮熱塗料は明るい色でないと効果がないのでしょうか?


A.以前はそういう傾向がありましたが、今は技術が進化しています。


特殊顔料を使った製品であれば、濃いグレーや茶系でも高い反射率を持つものが増えています。選ぶ際は、JIS規格に基づく日射反射率のデータを確認するのがおすすめです。


まとめ


遮熱塗料は、夏の日差しを反射して室温上昇を抑える「夏向きの対策」、断熱塗料は熱の移動を遮断して冬の保温にも働く「年間対策」。この本質的な違いさえ押さえておけば、選択の迷いはほとんどなくなるはずです。住まいの悩みや予算に合わせて、信頼できる施工業者に相談しながら最適な塗料を選んでください。


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