外壁のひび割れ(クラック)を放置するとどうなる?危険なサインと対処法を解説【建築施工管理技士監修】

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自宅の外壁を見たとき、細い線のような「ひび割れ(クラック)」を見つける経験をする人は少なくありません。「見た目の問題だろう」「これくらいなら、まだ直さなくても大丈夫」と自己判断し、見て見ぬふりをするのは危険です。


外壁にひび割れがある場合、見えないところで被害が拡大し、最終的に数百万円単位の修繕費がかかるトラブルに発展する可能性があります。


今回は、経験豊富な建築施工管理技士の視点から、ひび割れの原因と放置してはいけない危険なサインの見分け方、正しい対処法を分かりやすく解説します。


外壁にひび割れができる主な原因

外壁はとても頑丈に作られていますが、日々過酷な環境にさらされることでひび割れが発生してしまいます。主な原因を知っておくと、メンテナンス時期が見えてきます。


紫外線や雨風による経年劣化


最も多い原因は、外壁を保護している「塗装(塗膜)」の劣化です。


外壁は毎日、強い紫外線や雨風を浴び続けています。年月が経つと塗料の防水性が失われ、外壁材そのものが水分を吸って膨張し、乾燥して収縮する、という動きを繰り返します。この動きに素材が耐えきれなくなり、表面にひびが入ってしまうのです。経年劣化によるひび割れは、築10年前後で発生しやすくなります。


地震や強風などの揺れによる負荷


日本は地震大国といわれており、地震に耐えられる家の構造になっています。そのため、家の前を大型トラックが通るだけでも建物に微細な振動が伝わり、この揺れによって建物の骨組みが動きます。


その際、表面の硬い外壁材がその動きに追随できず、負荷がかかった部分からひび割れてしまうことがあります。特に窓のサッシの四隅などは、揺れの力が集中しやすいためひび割れが発生しやすいポイントです。


そのひび割れは安全?危険度を見分けるポイント

「ひび割れが危険」といっても、すべてのひび割れが今すぐ家を崩壊させるわけではありません。プロはひび割れの「幅と深さ」で緊急度を判断します。


危険度「低」:髪の毛ほどの細さのヘアクラック


幅が0.3mm以下(シャープペンの芯が入らない程度)で、深さも表面の塗装部分にとどまっている細いひび割れを「ヘアクラック」と呼びます。これは経年劣化による初期症状で、すぐ雨漏りに直結する危険性は低いです。


ただし、塗装の防水性が切れているサインではあるため、次回の塗り替え時期に向けて準備を始める目安として捉えてください。


危険度「高」:名刺が入る太さ・深さの構造クラック


幅が0.3mm以上あり、名刺やハガキが差し込めるほど深く、外壁材の奥まで達しているひび割れは非常に危険です。表面の塗装だけでなく、外壁材そのものが割れてしまっている状態だといえます。


この隙間から雨水が建物内部に確実に侵入しているため、見つけたら一刻も早い補修が必要です。特に「横方向のひび割れ」は雨水を受け止めて内部に流し込んでしまうため、緊急性がより高くなります。


深いひび割れを放置した時に起きる深刻なトラブル


「お金がかかるから」と深いひび割れを放置すると、確実に恐ろしい事態が進行します。深刻なトラブル例を見てみましょう。


雨水の侵入による雨漏りと木材の腐食


ひび割れから侵入した雨水は、壁のなかを通って建物の骨組みである柱や土台を濡らします。木材が常に湿った状態になると腐朽菌(木を腐らせる菌)が繁殖し、家を支える力がどんどん失われていきます。


室内で雨漏りのシミが見えたときには、壁の中はすでにボロボロになっていることがほとんどです。


湿気を好むシロアリの大量発生リスク


シロアリは、湿った暗い木材を何よりも好みます。そのため、ひび割れから水が染み込んだ壁のなかは、シロアリにとって最高の住処です。


シロアリに家の土台や柱を食い荒らされると耐震性が著しく低下し、大きな地震が来た際に家が倒壊するリスクが跳ね上がります。


外壁のひび割れに関するよくある質問

最後に、外壁のひび割れに関するよくある質問をまとめました。


Q:ホームセンターのコーキング材などで、自分でひび割れを埋めてもいいですか?


A:一時的な応急処置なら、DIYでも可能です。


細いヘアクラックを塞ぐ程度なら問題ありませんが、深い構造クラックを自分で塞ぐのはおすすめしません。雨水の通り道を完全に理解せずに表面だけを塞ぐと、壁のなかに入ってしまった水が外に逃げられなくなり、内部の腐食を急速に早めてしまうことも多いです。


Q:地震のあとのひび割れに保険は使えますか?


A:ひび割れの原因によっては、保険が適用されます。


地震が直接の原因で発生した深いひび割れであれば、地震保険の適用対象になる可能性があります。ただし、経年劣化で自然に割れたものは保険の対象外です。自己判断せず、まずは保険会社相談したり、プロの業者に見てもらったりするなどしてください。


Q:ひび割れ補修にかかる費用はどれくらいですか?


A:コーキング材の充填のみなら、数万円ほどです。


ひび割れ部分にコーキング材を充填するだけであれば、費用は安価です。しかし、ひび割れが家全体に広がっている場合は、足場を組んで家全体の下地補修と外壁塗装をやり直す必要があります。この場合の費用は、一般的に80万円〜150万円ほどかかといわれています。


まとめ


外壁のひび割れは、人の体の切り傷と同じものです。浅いかすり傷であれば絆創膏で様子を見られますが、深くえぐれた傷を放置すれば、そこから深刻なダメージを及ぼします。


壁の内部が健康なうちにプロに補修を依頼することが、大切な家を長持ちさせ、将来の修繕費用を抑える選択となります。自宅の周りをチェックしてみて、もし名刺が入るような深いひび割れや、横方向の長いひび割れを見つけたら、決して放置せず、早めに業者に相談しましょう。


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