外壁からの雨漏りに気づいたら、できるだけ早く対処することが大切です。天井にシミができたり壁が濡れていたりするときは、すでに内部で被害が広がっている可能性があります。
今回は、外壁からの雨漏りの原因特定から修理方法、業者選びのポイントまで詳しく解説します。
外壁から雨漏りする主な原因とは
外壁からの雨漏りで最も多く見られるのは、外壁材の劣化によるものです。
サイディングやモルタルといった外壁材は、時間の経過とともにひび割れが発生します。築10年を超えた住宅では、とくに注意が必要になってきます。
次に多いのがシーリング材の劣化です。
窓枠や外壁の継ぎ目に充填されているシーリング材は、紫外線や気温の変化によって硬化・収縮し、隙間が生じます。そこから雨水が侵入するケースは、非常に多く報告されています。外壁塗装が剥がれてくると、外壁材本体が水分を吸収しやすくなります。
また、新築時やリフォーム時の施工不良により、防水シートが適切に施工されていない場合もあります。
外壁からの雨漏り？早期発見チェックポイント
雨漏りは、早期発見が重要です。外部では、外壁にひび割れや欠損がないか確認しましょう。
窓周辺や換気口付近は、とくに注意が必要な箇所です。シーリング材が痩せていたり隙間が生じていたりする部分も要チェックです。
室内では、天井や壁にシミや変色が出ていないか確認してください。
カビ臭さや壁紙の浮きも雨漏りのサインとなります。押し入れやクローゼットなど普段目にしない場所も定期的に確認しておくことが望ましいです。
雨の後に外壁を触って、湿っている箇所がないか調べるのも有効な方法です。年に2回程度、こうした点検を行うことで早期発見につながります。
雨漏り箇所を特定する方法
雨漏り修理において最も難しいのが、実際の浸入箇所を特定することです。
雨水は浸入地点から離れた場所に症状が現れることが多く、目に見える被害箇所と原因箇所が一致しないケースがほとんどです。
専門業者による調査方法には、目視調査や散水調査、赤外線調査があります。
目視調査では、経験を積んだ職人が外壁全体を詳細にチェックします。散水調査は、疑わしい箇所に実際に水を流して浸入経路を確認する方法で、確実性が高い反面、時間を要します。
赤外線調査は、サーモグラフィーカメラを使用して、壁内部の水分を検知する方法です。建物を壊さずに調査できますが、専用機材が必要なため費用は高くなります。
外壁からの雨漏り修理方法と費用相場
シーリング材の劣化が原因の場合、既存のシーリングを撤去して、新規に打ち直す作業が行われます。費用は1メートルあたり500円～1,500円程度で、住宅全体では5万円～15万円が目安となります。
外壁のひび割れが原因であれば、ひび割れ補修や部分的な外壁材交換が必要です。
軽微なひび割れで3万円～10万円程度、範囲が広い場合は20万円～50万円程度かかります。外壁塗装の劣化が原因なら外壁全体の塗装工事が必要で、一般的な戸建て住宅で80万円～150万円が相場です。
防水シートから施工し直すような大規模工事の場合、100万円以上かかることもあります。
失敗しない！外壁からの雨漏り修理業者の選び方
業者選定は、修理の品質を左右する重要なポイントです。建設業許可や塗装技能士など、資格保有を確認しましょう。これらは、一定の技術水準を満たしている証明になります。
現地調査を、丁寧に行う業者を選ぶことが大切です。電話のみで見積もりを提示する業者は避けるべきです。適切な業者は時間をかけて調査を行い、原因を明確に説明します。
また、見積書の内容も確認が必要で、工事内容や使用材料が具体的に記載されているかチェックしてください。保証内容も必ず確認し、アフターフォローまで万全の体制かチェックしましょう。
外壁からの雨漏りを放置するリスクと二次被害
雨漏りを放置すると、建物の構造体である柱や梁が腐食します。木造住宅では、継続的な水分により木材が腐朽し、建物の耐震性能が低下します。
壁内部や天井裏でカビが繁殖すると、アレルギーや呼吸器疾患の原因となります。断熱材が水分を含むと断熱性能が大幅に低下し、冷暖房効率が悪化して光熱費の増加につながります。
湿った木材はシロアリの発生を招きやすく、被害が拡大すると数百万円規模の修理が必要になる場合もあります。少額で済む段階で対処することが、結果的に費用を抑えることにつながります。
FAQ｜外壁や雨漏りに関するよくある質問
外壁トラブルや雨漏りに関する質問をまとめたので、ご依頼前の参考にしてください。
Q．雨漏りの修理にどのくらいの期間がかかりますか？
A．シーリング補修などの部分修理であれば、1～3日程度で完了します。
外壁塗装を含む場合は2～3週間、外壁材の張り替えが必要な場合は1ヶ月程度を要します。天候により、工期が延びることがあります。
Q．火災保険は適用されますか？
A．台風や強風など自然災害が原因の雨漏りであれば、火災保険の適用対象となる可能性があります。
経年劣化による雨漏りは、対象外です。保険適用を検討する場合は、被害状況の写真と業者の見積書を用意し、保険会社へ確認してください。
Q．予防メンテナンスの適切な頻度はどのくらいですか？
A．外壁の点検は年1～2回、台風シーズン前と冬季前に実施することが望ましいです。
外壁塗装は10～15年ごと、シーリング材は5～10年ごとの打ち替えが推奨されています。定期的なメンテナンスにより、大規模修理を回避でき、長期的な費用削減につながります。
まとめ
外壁からの雨漏りは、早期発見と適切な対応が重要です。シーリングの劣化やひび割れなど原因はさまざまですが、放置すると建物構造に深刻な影響を及ぼし、修理費用も増大します。
定期的な点検を行い、異変を感じた際は速やかに専門業者へ相談してください。適切な業者選定と修理により、住宅を長期にわたって維持することができます。
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