断水したらトイレはどうする?家庭でできる対処法と準備リスト【建築施工管理技士監修】

突然の断水で一番困るのが、トイレの問題です。「水が出ないのにどうやって流すの?」と焦ってしまいますが、安心してください。


断水中でも、ちょっとした工夫でトイレは使えます。


今回は、いざという時に役立つトイレの使い方や、今から準備しておくべきものをわかりやすく解説します。災害時だけでなく、急な水道工事などでも使える知識なので、ぜひ参考にしてください。


断水時にトイレを流す基本的な方法

水が止まっても、バケツなどで水さえ確保できればトイレは流せます。お家のトイレがタンク付きかタンクレスかで方法が変わってくるので、それぞれ見ていきましょう。


タンク式トイレの場合


タンクがあるトイレなら、比較的簡単に対応できます。やり方は主に2つあります。


1つ目は「タンクに直接水を入れる方法」です。


タンクの蓋を外して、普段水が溜まっている位置まで水を注ぎます。あとは、いつも通りレバーを引けば流れます。ただし、機種によってはタンク内の部品が複雑なこともあるので、説明書をチェックしておくと安心です。


2つ目は「便器に直接水を流し込む方法」です。


バケツに6〜8リットルくらいの水を用意して、便器の中に勢いよく流し込みます。ここでのポイントは「一気に流す」ことです。ちょろちょろと注ぐと、うまく流れていきません!


最初に一気に水を流してから、さらに3〜4リットルほど追加で流すと、配管の奥までしっかり流せます。


タンクレストイレの場合


タンクレストイレは製品ごとに構造が違うため、必ず取扱説明書を確認しましょう。多くの機種には「断水・停電時用のレバー」がついていますが、電動ポンプで動くタイプだと断水時には使えないものもあります。


断水時のトイレ使用で注意すべきポイント

断水中にトイレを使う際は、普段とは違った注意が必要になります。気をつけないと、詰まりや故障の原因になってしまうこともあるので確認しておきましょう。


トイレットペーパーの量を減らす


普段より水の量が少ないと、ペーパーをたくさん使うと詰まりやすくなります。そのため、トイレットペーパーはできるだけ少なめに使うか、使用後のペーパーはビニール袋に入れて可燃ゴミとして捨てる方法もあります。


一度に流す水の量を守る


「水がもったいないから少しだけ…」と思ってしまいますが、実は逆効果です。


水が少なすぎると、途中で詰まってしまう原因になります。1回につき最低でも6リットル以上は使って、しっかり流しましょう。


汚水の処理に配慮する


断水が何日も続くようなら、水を使い続けるよりも携帯トイレに切り替えた方が衛生的です。使用済みの汚物はしっかり密閉して保管しましょう。


内閣府の資料によると、災害時には1人が1日に5回程度トイレを使うと想定されています。家族の人数と日数を掛け合わせた分を備えておけば、慌てずに済みます。


参考:内閣府「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン


断水に備えて準備しておきたいもの


いざという時に「あれがない、これがない」と慌てないために、普段から備えをしておきましょう。


【必須アイテムリスト】

  • 飲料水とは別の生活用水
  • 携帯トイレや簡易トイレ
  • 大容量のバケツ
  • ビニール袋やゴミ袋


トイレを流すための水は、お風呂の残り湯や、古くなったペットボトルの水でも問題ありません。10リットル以上入るバケツが2〜3個あると、水を運んだり保管したりするのに重宝します。


また、ビニール袋やゴミ袋は、携帯トイレや使用済みのペーパーを処分する時に必要です。


復旧後のトイレ使用で気をつけること

「やっと水が出た!」と喜んでも、すぐにいつも通り使うのは控えましょう。復旧直後は、配管の状態が不安定なことがあるため、トラブルを引き起こす可能性があります。


最初は少量の水で確認


断水が解消されたら、まずは少しだけ水を流して様子を見てください。いきなりたくさん流すと、配管内の汚れなどが逆流してくることがあります。


蛇口から普通にきれいな水が出るようになったら、トイレのタンクに水を溜めて、ちゃんと流れるか試してみましょう。


濁り水が出る場合


復旧してすぐは、水道管の中に溜まっていた錆などで、茶色っぽい水が出ることがあります。この状態でトイレを流すと、タンクや配管を傷める可能性があります。


透明な水になるまで、蛇口から水を出し続けてください。


ウォシュレット機能の確認


温水洗浄便座を使っているご家庭は、断水中に電源を切っているかどうかで対応が変わります。心配な場合は、説明書を確認するか、メーカーに問い合わせてみると安心です。


トイレの断水でよくある質問(FAQ)


トイレの断水中、当社によくある質問をまとめました。


Q.断水時にトイレを流すには何リットルの水が必要ですか?


A.だいたい6〜8リットルあれば1回流せます。

水が少なすぎると途中で詰まってしまうので、多めの水でしっかり流すのがポイントです。


Q.マンションで断水した場合、階数によって対応は違いますか?


A.基本的な流し方は同じですが、高層階だと水圧の影響を受けやすかったり、低層階だと配管詰まりの影響が出やすかったりします。

とくに高層マンションではポンプで水を汲み上げているケースもあるので、管理会社に確認しておくと安心です。


Q.携帯トイレはどのくらい用意しておけばいいですか?


A.目安は「1人1日5回×家族の人数×3日分」です。

たとえば、4人家族なら60回分くらいです。大きな災害だと復旧に時間がかかることもあるので、できれば1週間分くらいあるとより安心です。


まとめ


断水してもトイレは使えます。大切なのは、適切な量の水を確保して、勢いよく流すことです。水の復旧後、流れが悪かったり詰まったりするケースが多いので、トラブルが生じたら早めに業者に相談しましょう。


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