お風呂のカビ取りは手順を守って!必要な道具や方法は?【建築施工管理技士監修】

お風呂は湿気が溜まり、カビが生えやすい場所の1つです。カビ取りの際には、安全面にも留意しながら行う必要があります。


今回は、建築施工管理技士の観点から、お風呂のカビ取り方法や注意点を詳しく解説します。


お風呂に発生するカビと使用する洗剤の種類

まずは、お風呂に発生するカビの種類や、カビ取りに使用する洗剤を確認しましょう。


お風呂のカビは大きく2種類


お風呂に生えるカビには、「黒カビ」と「赤カビ」の大きく2種類があります。


黒カビは水気の多い場所で発生しやすいもので、正式名称を「クラドスポリウム」といいます。皮脂などを栄養源とし、湿度70%以上、温度10~30%のところで発生するもので、カビから発生する胞子はアレルギー症状の原因にもなるため、注意が必要です。


赤カビは、ピンクっぽい色のぬめりのあるものです。「カビ」と呼ばれますが、厳密には「ロドトルラ」という酵母菌で、カビではありません。こちらも湿度が高く、気温が20~30度の場所に発生しやすいという特徴があり、皮脂や石けんカスなどをエサに繁殖します。


赤カビには毒性はありませんが、繁殖スピードが速く、黒カビの栄養源となるため放置は厳禁です。


カビ取りに使う洗剤は?


カビ取りに使用する洗剤は、大きく次の3種類があります。


  • 塩素系カビ取り剤
  • 酸素系漂白剤
  • 重曹


塩素系カビ取り剤は、亜塩素酸ナトリウムを主成分とした強い洗剤で、除菌力が高いのが特徴です。ただし、においが強く、肌に直接触れると危険など、使用時に注意したい点がいくつかあります。


酸素系漂白剤は、過炭酸ナトリウムを主成分としており、液体と粉末から選べます。塩素系洗剤のようなにおいはなく、安全性も高いです。そのぶん効果も強くないため、頑固なカビの除去には向きません。


アルカリ性の重曹は、酸性の性質を持った赤カビを取る際におすすめです。研磨力もあるので、粉末をこすりつけて赤カビを取ることもできます。


お風呂のカビ取りの道具と手順

お風呂のカビ取りは、具体的にどのような手順で行うのでしょうか。カビの種類や発生場所別に解説します。


カビ取りに必要な道具


カビ取りに必要な道具は、以下の通りです。


  • カビ取り剤(カビの種類に適したもの)
  • 雑巾、または使い古したタオル
  • ブラシ(使い古した歯ブラシ)
  • キッチンペーパー
  • ラップ
  • フローリングワイパーとドライシート
  • ゴム手袋
  • マスク
  • ゴーグル など


カビ取りに使用する道具だけでなく、安全対策のためのゴム手袋やマスク、ゴーグルも忘れず準備しましょう。


赤カビの落とし方


赤カビを落とす際の手順は、以下の通りです。


  1. シャワーでぬるま湯をかける
  2. 赤カビに重曹をふりかけ、数分放置する
  3. ブラシでこする
  4. シャワーで洗い流し、乾いた雑巾で拭く


赤カビは比較的除去しやすいので、どのような場所に発生していても、上記の手順できれいになることが多いです。


浴槽や床の黒カビの落とし方


浴槽や床に黒カビが発生したときには、次の手順でカビ取りを行いましょう。


  1. 雑巾で水分を取り、カビ取り剤をかける
  2. 黒カビ部分にキッチンペーパーをのせ、再度カビ取り剤をかける
  3. ラップをかけて30分ほどおく
  4. キッチンペーパーとラップを取って、水で洗い流す
  5. 乾いた雑巾で拭く


しつこい黒カビには、つけ置きが有効です。


ゴムパッキンの黒カビの落とし方


ゴムパッキンは黒カビが発生しやすく、掃除も難しい部分です。カビ取り方法は、以下の通りです。


  1. 片栗粉とカビ取り剤を混ぜてペーストを作る
  2. カビの発生場所を雑巾で拭き、ペーストをのせる
  3. 30分ほど放置して、ブラシで軽くこする
  4. 水で洗い流す
  5. 乾いた雑巾で拭く


ペースト状にしたカビ取り剤をのせて時間をおくことで、カビを除去しやすくします。


壁や天井のカビ取り方法


壁や天井の黒カビは、見つけてすぐに対処すれば比較的簡単に落ちます。手順を見てみましょう。


  1. 壁や天井の水気をふき取る(天井はフローリングワイパーを使う)
  2. カビ取り剤を塗布する(天井はドライシートに吹きかけて塗布)
  3. 30分放置する
  4. 水で洗い流す
  5. 雑巾やドライシートで拭く


天井は直接カビ取り剤をつけると液だれの危険があります。壁も高いところはフローリングワイパーを使うなどの工夫をしましょう。


お風呂のカビ取りで注意したいポイント


お風呂のカビ取りを行う際は、以下の点に注意しましょう。


  • 作業時は換気をし、マスクやゴーグルで体を守る
  • 塩素系洗剤と酸素系洗剤を混ぜない
  • ゴムパッキンに洗剤をつけて長時間放置しない
  • 洗い流すときは水を使う


カビ取り剤はにおいをはじめ刺激が強いものも多いので、換気などで安全対策を行いましょう。また、「まぜるな危険」の表示がついた洗剤は、ほかの洗剤と一緒に使ってはいけません。


洗剤は長時間おくほど効果が期待できると思われがちですが、ゴムパッキンに長時間塩素系洗剤がついたままだと、パッキンの傷みにつながります。放置時間は30分ほどにしましょう。


さらに、洗い流す際にお湯を使うとにおいがより強く感じられるので、水を使うようにしてください。


お風呂のカビ取りによくある質問

お風呂のカビ取りについて、よくある質問をまとめました。


Q:自分でカビ取りをしても落ちないときはどうしますか?


A:ハウスクリーニングを利用するケースが多いです。

掃除を専門とした業者に依頼すると、専用の機器や洗剤できれいにしてもらえます。ただし、経年劣化で落ちないカビや汚れがある場合は、工務店などにリフォームやメンテナンスを依頼しましょう。


Q:キッチンやトイレ用のカビ取り剤を使ってもいいですか?


A:お風呂掃除用のカビ取り剤を推奨します。

キッチンやトイレ用の洗剤が全く効かないわけではありません。しかし効果が限定されるものもあるので、お風呂用の洗剤を使用しましょう。


Q:黒カビを放置するとどうなりますか?


A:健康被害を起こす可能性があります。

アレルギー症状や呼吸器疾患、皮膚症状のほか、神経系や内臓への影響、免疫力低下などのリスクが懸念されるため、放置は厳禁です。


まとめ


お風呂のカビ取りは、カビの種類や発生場所によって方法が変わります。正しい方法でカビ取りを行い、きれいなお風呂を保ちましょう。


カビが落ちない、カビ以外にも気になる部分がある場合は、リフォームもおすすめです。迷ったときは、工務店やハウスメーカーに相談してください。


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