タンクレストイレというと「見た目がおしゃれ」というイメージが先行しがちですが、実際はそれ以外にも魅力がたくさんあります。
水道代の節約や掃除の楽さなど、毎日の暮らしに関わる実用的なメリットが多いのが特徴です。
今回は、建築施工管理技士として多くの現場を見てきた立場から、タンクレストイレの本当のメリットとリフォームのポイントについて、詳しく解説します。
タンクレストイレの仕組み
普通のトイレとタンクレストイレ、何がどう違うのか簡単に説明します。
従来のトイレは便器の後ろにタンクがあって、そこに水を貯めておいてレバーを回すと流れる仕組みでした。
タンクレストイレは水道管から直接水が流れます。水道の圧力で洗浄するので、タンクで水を貯める必要がないということです。
この違いがあるから、タンクに水が貯まるのを待つ時間がありません。家族が多い場合でも続けて使えるので便利です。
メーカー各社が技術開発に力を入れているおかげで、水の量は少なくても洗浄力はしっかりしています。
タンクレストイレの実際のメリット

デザインが良いのは見ればわかりますが、使ってみて初めてわかるメリットもあります。
スペースが広くなる
タンクがなくなると、奥行きが10~15cmほど短くなります。狭いトイレでは、この差が結構大きく感じられます。
たとえば、掃除道具を置く場所ができたり、車椅子を使う場合の動きやすさも変わってきます。
古いマンションなど、もともとトイレが狭い住宅では効果が大きいでしょう。将来介護が必要になった時のことを考えても、余裕があるに越したことはありません。
見た目で部屋の印象が変わる
角ばったタンクがなくなって、丸みのある形になると、同じトイレとは思えないほど印象が変わります。圧迫感がなくなり、全体的にすっきりした感じになります。
お客さんが来たときの印象も良くなりますし、家全体がおしゃれに見えるのも嬉しいポイントです。
水道代がかなり安くなる
従来のトイレは1回で13リットルくらい使いますが、新しいタンクレストイレなら4~6リットル程度で済みます。4人家族なら年間で約7,500円~1万円以上、水道代が安くなる計算です。(※水道料金が1リットルあたり0.25円と仮定)
最初にかかる費用は高めですが、10年、15年と使い続けることを考えれば、水道代の節約分でかなりの額になります。
掃除が楽になる
タンクと便器の間の隙間がなくなるので、ホコリが溜まりにくくなるのもメリットのひとつです。従来のトイレは凹凸があり、掃除するのが大変という家庭も多いでしょう。
表面もツルツルしていて汚れがつきにくい加工がしてあるので、サッと拭くだけで綺麗になります。毎日のトイレ掃除にかかる時間を短縮できるのは、大きなメリットです。
便利な機能がついている
最近の機種は自動で蓋が開いたり、人がいなくなると自動で流れたりする機能がついています。手で触らなくても使えるので衛生的です。
ウォシュレットのノズルも使う前と後に自動で洗浄される機能もあり、いつでも清潔な状態を保てます。
タンクレストイレのリフォーム費用と工事日数は?

タンクレストイレはメリットの多いリフォームですが、費用面と工事日数が気になる人も多いでしょう。
実際にかかる費用
トイレ本体と工事費込みで50万円くらいが目安です。本体は10万円台から30万円台が中心で、これに取り付け工事の費用が加わります。
高い機能がついているモデルを選ぶと本体価格は上がりますが、節水効果や長持ちすることを考えると結果的にお得になることが多いです。
工事にかかる日数
普通の交換工事なら1~3日で終わります。配管工事が必要ない場合は1日で完了することもあります。
工事の間はトイレが使えなくなるので、仮設トイレを借りるか、近くの施設を使わせてもらうかの準備が必要です。
設置できるかどうかの確認
マンションの上の方の階や古い建物では、水圧が足りなくて設置できない場合があります。0.05MPa以上の水圧が必要で、足りない場合は増圧装置をつけることになります。
最近のタンクレストイレには、低水圧に対応したモデルや後付けでブースターを設置できる製品もあります。
電源の位置や配管の状態も関係してくるので、事前に現場を見てもらって確認することが大切です。
タンクレストイレのリフォーム工事の流れ
タンクレストイレのリフォームは、次の手順で施工します。
- 現地調査で水圧や配管、電源の状況を確認(問題があれば追加工事が必要になるので、この段階でしっかり調査)
- 古いトイレを外す(必要に応じて配管や電気工事)
- 新しいトイレを設置
施工後は、きちんと水が流れるか、各機能が正常に動くかテストして完了です。リフォーム工事は大掛かりではないのもメリットのひとつです。
タンクレストイレのリフォームによくある質問

タンクレストイレのリフォーム工事前に、よく聞かれる質問をまとめました。
Q:停電になったらどうなりますか?
A:手動レバーで流せます。
停電時でも手動のレバーがついているので基本的な使用はできます。ただし、ウォシュレットなどの電気を使う機能は止まってしまいます。
Q:水圧が弱い場合はどうしますか?
A:増圧装置で対応できます。
水圧が足りない住宅では増圧装置をつけることで解決できます。追加の費用はかかりますが、ほとんどの住宅で設置可能になります。
Q:故障したり壊れやすかったりしませんか?
A:普通に使えば10年以上持ちます。
電子部品が入っているので心配される方もいますが、通常の使い方をしていれば従来のトイレと変わらない耐久性があります。定期的に掃除をしていれば長く使えます。
まとめ
タンクレストイレは見た目の良さだけでなく、省スペース・節水・掃除の楽さという実用的なメリットがあります。
水圧の確認など事前調査は必要ですが、多くの住宅で設置できます。トイレのリフォームを考えているなら、選択肢のひとつとして検討してみてください。
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