屋根の塗装を業者に依頼すると費用がかかるので、「自分で安くできないか」と考える人もいるでしょう。自分で行う場合の手順や費用を知ると、業者かDIYかを検討しやすくなります。
今回は、屋根塗装を自分でするメリットやデメリット、費用などを解説します。
屋根塗装は自分でできる？
結論、屋根塗装は自分でもできますが、DIYはあまりおすすめできません。その理由は、メリット。デメリットを知るとわかるでしょう。
自分で行うメリット
屋根塗装を自分でするメリットには、以下のようなものがあります。
- 費用を抑えやすい
- 好きな塗料で自由に塗装できる
- 業者探しや打ち合わせなどの手間がかからない など
人件費などがかからないぶん、業者に依頼するよりも費用は安く済みます。また、好きな色や種類の塗料を使って模様を描くなど、デザインの幅が広がるのもメリットの1つです。さらに、塗装のために業者を探したり、問い合わせ・打ち合わせをしたりという手間がかからないのも、自分で行うメリットでしょう。
自分で行うデメリット
自分で屋根塗装をするメリットはもちろんありますが、デメリットのほうが多いといえます。
- 業者に依頼するよりも工期が長くなる
- 素人の高所作業は危険
- きれいに仕上がらない可能性がある
- 近隣トラブルが起こりやすい など
業者に依頼すれば数週間程度で完了する塗装工事も、仕事の合間や休日を使って自分で行うと、数ヶ月ほどかかってしまうケースが多いです。また、高所作業に慣れていない素人が屋根にのぼって作業するのは、落下のリスクが高いといえます。安定しない場所での作業は、仕上がりにも影響するかもしれません。
こうした様子を見た近隣の人が「危ない」と注意をしてくる、塗料が周囲に飛び散ってトラブルに発展するという可能性もあります。
屋根塗装を自分でする場合の手順
もし屋根塗装を自分でする場合は、どのように進めればよいのでしょうか。大まかな手順を紹介します。
①道具をそろえる
まずは、ホームセンターなどで塗装に必要な道具をそろえましょう。主な道具は以下の通りです。
- 下塗り塗料
- 中塗り・上塗り用塗料
- ハケ
- ローラー
- マスカー
- ケレン用かわすき
- 洗浄用ホース、高圧洗浄機
- 軍手
- 汚れてもよい福
- 安全ベルト
- ヘルメット
- 滑りにくい靴 など
②足場を設置する
道具がそろったら、作業用の足場を設置します。足場なしでも屋根にのぼれるかもしれませんが、不安定な場所での作業は危険ですので、基本的には設置するのがおすすめです。
足場の設置は自分でできないので、業者に依頼します。設置費用は5～20万円程度です。
③下地処理
天窓など、塗装しない部分はマスカーで保護します。その後、サビや塗装のはがれなどがないか確認し、見つけたらかわすきではがし、下地処理を行いましょう。金属屋根の場合は、さび止めを塗るのも忘れてはいけません。
④下塗り
準備が整ったら、下塗り塗料を塗ります。下塗りは塗膜の耐久性を高めるための重要な作業です。下地と中塗り塗料を接着する役割があるので、丁寧に塗装しましょう。
⑤中塗り・上塗り
下塗りが終わったら、中塗り、上塗りを行います。中塗りと上塗りには同じ塗料を使います。1回塗るだけよりも、2回にわけて重ね塗りしたほうが塗膜の厚みが増して耐久性が高まり、見た目もキレイに仕上がります。
⑥縁切り
屋根には雨漏り防止のため、内部に溜まった水を排出するすき間がありますが、塗装をするとこのすき間がなくなってしまいます。塗装後にはかわすきやカッターを使って、塗りつぶしたすき間を取り戻しましょう。
⑦足場の解体
塗装後は、足場を解体して終了です。解体前には、塗り残しがないかなどを必ず確認しましょう。
屋根塗装DIYにかかる費用は…
屋根塗装を自分で行う場合の費用相場は、30坪前後の住宅で20～40万円ほどといわれています。内訳は以下の通りです。
- 材料費：10～20万円
- 道具代：5万円
- 足場代：5～15万円
ただし、塗料のグレードや種類、住宅の構造などによっては、材料費や足場代がさらに高くなることもあります。屋根以外のDIYのように、数万円程度で済むということはないので覚えておきましょう。
自分でするのは危険！屋根塗装や業者に依頼を
屋根塗装は手順も多く、高所作業による危険も伴います。転落すれば大けがにつながりますし、安全に作業できたとしても、塗装に失敗して業者を呼べばさらに費用が増してしまいます。
屋根塗装は専門業者に依頼するのがおすすめです。最後に、業者を利用するメリットや費用相場を解説します。
業者に依頼するメリット
業者に屋根塗装をしてもらうと、以下のようなメリットが期待できます。
- 安全な作業を実現できる
- 美しい仕上がりになる
- 屋根の補修なども同時に行える
- 自分の時間を犠牲にしなくてよい
- アフターフォローもしてくれる など
プロが安全な環境で作業をしてくれるので、仕上がりもきれいで安心して任せられます。また、屋根にトラブルが見つかった場合は、塗装と一緒に補修も依頼できます。外壁の塗装・補修と同時に行うのもよいでしょう。
さらに、DIYは自分の時間の多くが犠牲になってしまいますが、業者に任せておけばこうした負担がありません。アフターフォローも充実した業者は、塗装後に万一トラブルがあってもすぐに対処してくれます。
業者による塗装の費用相場
業者に屋根塗装を依頼した場合の費用相場は、30坪前後で60～120万円ほどです。自分で行うのと同じく、塗料のグレードなどによって費用は大きく変わります。100万円を超えるケースも少なくありませんが、確かな作業やその後の保証もあると思えば、「高すぎる」と感じることは少ないのではないでしょうか。
相見積もりや外壁との同時施工など、費用を抑える工夫もしながら、長くよい状態を保てる方法を選択してください。
まとめ
屋根塗装は自分で行えますが、失敗や事故のリスクなどのデメリットも多いため、あまりおすすめできません。迷ったら業者に依頼し、安全かつ正確に作業してもらいましょう。
屋根や外壁をはじめ、幅広い施工に対応している地域の工務店などは、住宅全体のメンテナンスをサポートしてくれます。信頼できる業者を見つけ、住宅の健康を維持してください。
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