モルタルは、昨今多くの住宅に用いられる外壁材の1つです。メリットだけでなくデメリットやメンテナンス方法などを知っておくと、よい状態を長く保てます。
今回は、モルタル外壁の特徴や劣化のサインなど、さまざまな情報をお届けします。
法律の変化により普及率が上がったモルタル外壁
モルタルが外壁材として多くの住宅に採用されるようになったのは、なぜでしょうか。特徴とともに見てみましょう。
モルタル外壁とは
一般的にモルタル外壁とは、水とセメント、砂を1:2:5の割合で混ぜ合わせた「モルタル」の下地で作られたものを指します。昭和25年に建築基準法の前身となる法律により、外壁を防火仕様にすることが求められるようになったのをきっかけに、外壁材として多く用いられるようになりました。
この頃から、モルタルをはじめとした不燃性の建材が普及します。そして、洋風の住宅の流行を迎えた昭和50年代には、モルタル外壁の全盛期を迎えました。
モルタル外壁の特徴
モルタル外壁は、サイディングやALCパネルのように仕上がっているボードを張っていくのではなく、職人が手で塗って仕上げる工法が特徴です。そのため、1軒1軒の仕上がりが異なり、唯一無二の外観を手に入れられます。ただし、仕上がりは職人の技術が大きく左右します。
また、ボードを張ると必ず生じてしまう継ぎ目も、モルタル外壁にはありません。比較的自由な形状設計も可能で、アーチ状の外壁など、サイディングでは難しいデザインを実現するのにも、モルタルは重宝します。
モルタル外壁の仕上げ方
モルタル外壁の仕上げ方は、大きく4つあります。
- リシン:粒状に砕いた石にセメントや樹脂などを混ぜ合わせて仕上げる
- スタッコ:セメントと骨材を混ぜた材料を吹付けて仕上げる
- 吹き付けタイル:樹脂などの結合材と骨材などを混ぜ合わせた材料を、口径の大きな塗装機で吹き付ける
- 左官仕上げ:小手を使用して仕上げる
リシンは1970~80年代に多く使用されていたものです。また、スタッコはリシンにより重厚感や高級感をプラスしたような仕上がりになります。左官仕上げは熟練の職人の技術が光る工法で、独特のデザインによる味わいを楽しめます。
モルタル外壁のメリット・デメリット
近年も外壁材として選ばれることが少なくないモルタル外壁には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリット
モルタル外壁のメリットは、以下の通りです。
- 不燃性で火災時にも有毒ガスを発生しない
- 破損しにくい
- 色やデザインのバリエーションが豊富
- コーキング補修が不要
モルタルはセメントと水、砂でできた外壁材で、原材料はすべて不燃性です。もし火災が起こった場合も、モルタルから有毒ガスは発生しないので安心でしょう。また、衝撃に強く、台風や竜巻などで飛来物がぶつかっても破損しにくいのも、モルタル外壁のメリットです。
さらに、モルタルはデザインだけでなくカラーバリエーションも豊富にあります。前述の通りボードのように継ぎ目がないので、コーキング補修も不要です。個性的な外観、理想の外観の実現に貢献してくれるモルタル外壁は、デザイン性にこだわりたい人に選ばれ続けています。
デメリット
メリットだけでなく、モルタル外壁には次のようなデメリットもあるので注意が必要です。
- ひび割れしやすい
- 汚れがつきやすい
- 仕上がりに差がでやすい
セメントを使用しているので丈夫なイメージがありますが、モルタル外壁はひび割れを起こしやすいのが大きなデメリットです。下地となる木材の伸縮や建物の揺れなどで、小さなひび割れができてしまいます。
ひび割れを放置すると、外壁材の劣化が早まったり、内部に雨水が浸入したりして、最悪の場合、衝撃による外壁の剥離を引き起こすため注意しましょう。
また、表面に凹凸のある仕上げは、汚れが溜まりやすいです。日陰や湿気がこもる場所は、コケやカビ、藻なども発生しやすくなり、見た目も悪くなります。
こだわりのデザインも実現しやすいモルタルですが、その仕上がりは職人の技術力によります。同じ工法でも、職人の経験や腕によっては納得できない仕上がりになってしまうので、業者選びは慎重に行いましょう。
モルタル外壁は劣化症状に注意!
耐火性やデザイン性に優れたモルタル外壁を長持ちさせるには、以下のような劣化症状を見落とさないことが重要です。
- ひび割れ
- チョーキング
- 雨だれ
- コケや藻の発生
- 浮き・剥がれ など
これらの症状は見た目が悪くなるだけでなく、雨漏りや外壁材の剥落などのトラブルにもつながります。劣化症状が見られたら、早めにメンテナンスを行いましょう。
モルタル外壁のメンテナンス方法
モルタル外壁のメンテナンス方法は、劣化度合いによって変わります。主なメンテナンス方法を見てみましょう。
洗浄
コケやカビ、藻などが生えているときには、外壁の洗浄を行います。外壁全体の洗浄を自分で行うのは難しいので、業者に依頼して高圧洗浄機などを使ってしっかりと汚れを落としてもらいましょう。
補修
数カ所の小さなひび割れのメンテナンスは、補修のみで済む場合もあります。幅が広いひび割れがあったり、ひび割れの数が多かったりする場合は、補修ののちに塗装で美観を取り戻す作業が必要です。
塗装
ひび割れの数が多い場合や、チョーキングが発生しているときには、外壁塗装をします。塗料や弾性、または微弾性のものを選ぶと、防水性能を取り戻すとともに、外壁表面のひび割れが起こりにくくなります。
張り替え
外壁に浮きや剥がれ、膨らみができているときには、張り替えを行います。部分的な張り替えも可能ですが、劣化が進んでいる場合はすべての外壁を剥がして、モルタル外壁を作り直さなければいけないこともあります。
大がかりな補修工事は費用も高くなるので、気になる部分がなくても定期的なメンテナンスをおすすめします。
まとめ
昭和50年代に普及率のピークを迎えたモルタル外壁ですが、現代の住宅にも採用される機械は多くあります。メリットも多いモルタル外壁ですが、劣化しやすいというデメリットもあるので注意が必要です。
モルタル外壁の住宅にする場合は、事前に劣化のサインやメンテナンス方法も把握したうえで、導入を検討してください。
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