外観を一新できる外壁塗装ですが、施工中や施工後の匂いが気になるという声もあります。人体への影響も懸念される匂いは、どのように防げばよいのでしょうか。
今回は、外壁塗装の匂いの原因と対策を解説します。
外壁塗装の匂いの原因
外壁塗装で使用する塗料は、独特な匂いがします。まずはその原因や、人体への影響を確認しましょう。
気になる匂いの原因
匂いの原因は大きく2つあり、1つはメタノールやイソプロピルアルコールなどの有機溶剤です。油性塗料に含まれており、刺激臭を引き起こします。
また、塗料にはトルエン、キシレン、酢酸エチルなどの揮発性有機化合物(VOC)も使用されています。揮発性有機化合物は塗料が乾燥するあいだに空気中に放出されますが、このときに独特の匂いが発生します。揮発性有機化合物は水性塗料にも含まれているので、油性塗料ほどではないものの、水性塗料も匂いが気になる可能性が高いです。
匂いが持続する期間
塗装中だけでなく、塗装後も匂いが続くケースが多いですが、どれくらいの期間で匂いが消えるかは、塗料の種類によって異なります。匂いの原因となるものの含有量が少ない水性塗料は、3~7日程度で匂いが気にならなくなるのが一般的です。一方、有機溶剤や揮発性有機化合物が多く含まれる油性塗料は、1~2週間ほどかかるといわれています。
気温や湿度、風通しなどによっても、匂いが続く期間は変わるでしょう。
人体への影響は…?
塗装中でもまったく平気な人もいれば、塗料の匂いがほとんど消えても不調を訴える人もおり、塗料の匂いが人体に及ぼす影響には個人差があるといえます。特に、赤ちゃんや幼児は体が小さいぶん、匂いによる体調不良が起きやすいかもしれません。
塗料の匂いによって起こる症状には、以下のようなものがあります。
- 目:かすむ、チカチカする、痛みやかゆみを感じる
- 鼻:鼻水、鼻づまり、かゆみ
- 耳:痛み、かゆみ、耳鳴り
- 口:のどの痛み、声がかすれる、口のなかが乾く
- 皮膚:かゆみ、湿疹、できもの
- その他:頭痛、けいれん、肩こり、下痢、便秘、胸の痛み、吐き気、めまい、思考力低下、食欲減退 など
有機溶剤は、長時間吸い続けると体内に侵入し、あらゆる症状を引き起こす恐れがあるので、少しでも異変を感じたら早めに対処しましょう。
外壁塗装の匂い対策
体調不良が起こるほどではなくても、「塗料の匂いが不快」だと感じる場合は、匂い対策をする必要があります。業者に依頼してできる対策と、自分でできる対策を紹介します。
水性塗料を使用する
油性塗料よりも匂いが少ない水性塗料なら、不快感を軽減できます。前述の通り、水性塗料にも揮発性有機化合物が含まれていますが、含有率は7%以下のものが多いです。匂いの違いを、事前に業者に試させてもらうのもよいでしょう。
F☆☆☆☆規格塗料を使用する
JISやJASで認められたF☆☆☆☆規格塗料は、シックハウス症候群の原因の1つであるホルムアルデヒドの発散量が少ない製品です。ホルムアルデヒドの発散量が極めて少ない塗料を選ぶのも、匂いを抑える方法として多く採用されます。
換気
換気をして室内の空気を入れ替えれば、部屋に充満した塗料の匂いを軽減できます。ただし、すべての窓を養生してしまうと換気ができないので、業者に依頼して開けられる窓を作っておくことは忘れないようにしましょう。
匂いがついた空気は下に滞留しやすいので、下の階や低い位置にある窓を開けると効果を実感しやすいです。
マスクの着用
マスクで口や鼻を覆って匂いが入ってこないようにするのも有効です。特に、活性炭フィルターなどが入っていて、外部からの匂いが届きにくいマスクなら、外壁塗装中のいやな匂いがあまり気にならなくなります。
外出・旅行も検討を
どのような方法を試しても効果が感じられない場合は、外出や旅行に出ることも検討しましょう。作業が始まる前に外出し、終わる頃に帰宅すれば、匂いが最も気になる時間を乗り切れます。また、業者と事前の打ち合わせを綿密に行い、施工期間中は旅行に出てしまうのもよいかもしれません。
外壁塗装の匂いを早く消す方法はある?
塗装後も続く塗料の匂いを一刻も早く消したい場合は、どういった方法を試すとよいのでしょうか。3つのアイデアを紹介します。
活性炭・消臭剤
匂いの原因物質を吸着する活性炭は、塗料の匂いにも有効です。また、市販の消臭剤、消臭スプレーを使っても匂いを軽減できますが、できれば自然素材を使用したものを選びましょう。
ちなみに、空気清浄機は有機溶剤などの匂いを分解できないので、塗装中も塗装後も使用してはいけません。
観葉植物
植物には空気清浄効果があるので、部屋に観葉植物を置くのもよいでしょう。夏にはグリーンカーテンをすれば室内に入る日光も減り、匂い対策とともに遮熱効果も期待できるのでおすすめです。
重曹水
重曹も、消臭などに使用されるアイテムの1つです。重曹水は、水1リットルに大さじ1杯ほどの重曹を溶かすだけで簡単に作れます。スプレーボトルに入れて、壁や窓枠などにスプレーすれば、塗料のいやな匂いを軽減できますが、塗装した部分に直接スプレーするのは避けましょう。
まとめ
外壁塗装の匂いの感じ方は人それぞれで、体調不良を引き起こすケースもあるので注意が必要です。塗装中の匂いは塗料選びや自分でできる対策で軽減でき、塗装後に残った匂いにも、さまざまなアイテムが重宝します。
業者とも相談しながら、少しでも快適に外壁塗装を実施できるよう工夫をしてみてください。
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